コア・サテライトによるポートフォリオ構築
構造
コア(80~95%)。 第27章で扱った定番のような、1~3本の幅広いファンドです。世界株式に、第19章の資産配分に応じた安定化資産を組み合わせます。条件は、時価総額加重または本当に幅広いこと、低コストであること、指数への連動が良好であること(第35章)、そして退屈であることです。コアは、自分の見方を表現する場所ではありません。投資そのものに一生興味を失っても、そのまま持ち続ける部分です。
サテライト(合計5~20%)。 1つのサテライトを持つ前に、次の4つの条件をすべて満たす必要があります。
- 書面にした投資仮説。 「上がっているから」ではいけません。
- 事前に決めたベンチマーク。 仮説に合うものを選びます。高級ブランド株を選ぶサテライトなら欧州ラグジュアリー指数、テクノロジーの枠なら米国テクノロジー指数、傾斜そのものが仮説なら世界株指数、といった具合です。大切なのは、最初に買う前に書いておくことです。
- ポジションの大きさ。 サテライト全体の予算内で、外しても腹立たしいだけで、人生設計を変えるほどではない規模にします。
- 仮説に基づく出口条件。 価格ではなく仮説と結び付けます。何が起きれば「自分は間違っていた」と判断するのかを決めます。
4つのうち1つでも欠けるポジションはサテライトではありません。ポートフォリオの中に紛れ込んだ単発の買い物です。コア・サテライトは、まさにそれを防ぐための枠組みです。
なぜサテライトの上限をここまで厳しくするのか
理由は3つあります。後になるほど重要です。
エビデンス上の理由。 第6章、第45章、第47章で見た通り、アクティブな賭けの期待値は、コスト控除後では、ほとんどの人にとって、ほとんどの期間でゼロ前後かマイナスです。そうした賭けをポートフォリオの40%まで膨らませる枠組みなら、自分の本を読んでいないも同然です。
算数上の理由。 ポートフォリオの10%を占めるサテライトがコアを年5%下回れば、全体への影響は年0.5%です。実害はありますが耐えられますし、おおむね勉強代の範囲です。同じサテライトが40%なら、全体への影響は年2%。20年続けば、余裕のある生活と制約の多い生活を分けかねない差になります。上限があるからこそ、失敗は授業料で済みます。
行動面の理由。実際にはこれが一番重要です。 大半の投資家は、純粋なインデックス・ポートフォリオを30年間、何も触らずに持ち続けることはできません。何かしたいという衝動は、説教して消せる性格上の欠点ではなく、常に存在するものです。それがない前提で作った計画は、最初の弱気相場で崩れます。コア・サテライトが機能するのは、人間を現実的に捉えているからです。その衝動に、あらかじめ上限を設けた正当な出口を用意し、複利で増えていく90%の部分には手を出さないようにします。持ち主の行動に耐えられるポートフォリオは、理論上最適でも持ち主に壊されるポートフォリオより価値があります。
サテライトに入れてよいもの
正当なサテライトは、純粋なリスク管理から純粋な確信まで幅広く、その間のどこにあっても構いません。
- リスク管理のためのポジション: すでに抱えている集中(勤務先株、自国に偏った年金、1つの業種に集中した事業など)を相殺するもの。第42章で紹介した個人投資家に最も有用な使い方で、そもそも「賭け」と呼ぶ必要すらないかもしれません。
- 構造的な保険: 0~10%の金(第23章)。数十年単位で評価します。
- ファクターへの傾斜: 持続性について書面化した根拠があり、不調期に耐えられるもの(第45章)。
- セクターや地域への見方: 実体のある仮説があるもの(第42章)。
- テーマ: 第47章の5つの質問を通過したもの。ほとんどは通過しません。
- 個別株: 直接的な確信の居場所です。業界をよく知っている、ある企業を信じている、あるいはその企業を所有したいという気持ち自体に価値があるなら、その見方はここに置きます。意図して選び、第18章のリターン分布の歪みを踏まえて規模を決めます。
サテライトにしてはいけないもの
- 自分で上限を設けられないもの。 その感覚自体が情報です。そのポジションは「資産配分」の服を着た確信です。
- 数日を超えて保有するレバレッジ型・インバース型商品(第72章)。時間とともに減価が効くため、「小さなポジションだから大丈夫」は成り立ちません。
- 使う予定のあるお金。 サテライトは長期運用部分から出します。第19章のラダーで近い将来に使う部分から出してはいけません。
- 上がった結果、コア並みに大きくなったサテライト。 次の節がその話です。そして、ほとんどの人が読み飛ばす部分でもあります。
維持管理:枠組みを実物にするルール
勝ったサテライトは上限まで戻す。 2倍になったサテライトは、自分が許可した以上の大きな賭けになっています。ルールを書いたときには賢明に思えた規律ほど、いざ実行するときには間違っているように感じます。通常のリバランス日(第63章)に、予定通り上限まで減らします。その場で新しい相場観を作ってはいけません。
各サテライトを、書面にしたベンチマークと年1回比較する。 ゼロと比べるのでも、自分の記憶と比べるのでもありません。順番に2つ確認します。自分のベンチマークに勝ったか(仮説の範囲内で銘柄選択は良かったか)、そしてサテライトを持たずコアを増やした場合に勝ったか(そもそも仮説を持つ価値があったか)です。ラグジュアリー株のサテライトは、前者に勝って後者に負けることも、その逆もあります。どちらだったのかを分けて把握するために、ベンチマークを事前に書いておくのです。
価格下落ではなく、仮説が崩れたら終了する。 仮説に基づく退出は判断ですが、価格に基づく退出はパニックです。仮説も出口条件も発動していないなら、正しい行動は何もしないことです。
大きさだけでなく本数にも上限を設ける。 3%のサテライトを5本持てば、どの確信も背景のノイズ程度に薄まります。本当に信じられる2~3本に絞り、サテライト予算の中で意味のある規模を持たせる方が、この枠は本来の役割を果たします。
この枠組みの限界
コア・サテライトは欠点のない方法のように売られがちなので、率直に書きます。
- 期待リターンを高めるものではありません。 コスト控除後では、サテライト部分の期待効果はわずかにマイナスです。買っているのは行動面の効果であり、それには本当の価値があります。慰めとして言っているのではありません。
- 自分を正当化する道具にもなります。 「サテライトだから」と言えば、4つの条件を満たさないポジションを簡単に紛れ込ませられます。枠組みの本体は4つの条件であり、「サテライト」という名前ではありません。
- 100%インデックスの人が間違っているわけではありません。 100%コアのポートフォリオこそ、エビデンスがそのまま示す答えです。余計な売買をせずに持てる人には、この章は必要ありません。コア・サテライトが必要なのは、それ以外の人です。見方、知識、関心を持っていて、それを押し殺して後で爆発させるより、適切に扱う方がよい投資家のための方法です。
具体例
Henrikのポートフォリオは€200,000で、コア85%/サテライト15%です。
- コア(€170,000): 第19章で決めた比率で、全世界株式ファンドと総合債券ファンドを保有。年1回のリバランス以外は触りません。
- サテライト1、€12,000(6%): 保険としての金ETC。仮説は危機とインフレへの分散。ベンチマークはなし。数十年で評価します。出口もなし。構造的な保有です。
- サテライト2、€10,000(5%): ヘルスケア・ファンド。仮説は書面化済み。ベンチマークは世界株指数。バリュエーションの前提が崩れたら退出。毎年1月に見直します。
- サテライト3、€8,000(4%): 仕事を通じてよく知る業界の個別株3銘柄。仮説は、その企業を理解しており、直接保有したいというもの。ベンチマークはセクター指数で、サテライト全体については世界株指数。正直なラベルを付ければ、「明確な予算内で持つ、本物の確信」です。
3年目、個別株は2倍の€16,000になり、4%という上限に対してポートフォリオの7.4%まで膨らみました。ルールは減らせと言っています。Henrikは嫌々ながら1月に売って戻します。5年目、そのうち1銘柄が60%下落し、以前の売却は先見の明だったように見えます。もちろん違います。誰にも未来が分からないうちに書いたルールが、仕事をしただけです。落ち着いているときにルールを決めるべき理由は、この一連の流れにすべて表れています。
要点
- コア(80~95%)は、幅広く、低コストで、時価総額加重、退屈であり、運用成果を決める本体です。サテライト(合計5~20%)は、意図して持ち、上限を設け、それぞれに理由を持たせます。
- 各サテライトには、書面化した仮説、事前に選んだベンチマーク、耐えられる規模、仮説に基づく出口という4つの条件があります。1つでも欠ければサテライトではなく、単なる買い物です。
- 上限は、数学より先に行動を管理するためのものです。行動したい衝動に予算と柵を与えることで、複利で増える大部分には手を付けないようにします。
- 維持管理で初めて枠組みが機能します。予定日に勝者を上限まで戻し、年1回ベンチマークと比較し、価格下落ではなく仮説の崩壊で退出し、本数は2~3本に抑えます。
- 限界もあります。サテライト部分の期待リターンはわずかにマイナスで、ラベルは自己正当化に使われやすく、実際に100%コアを持ち続けられる人には100%コアが今も正しい答えです。
FAQ
サテライト15%は多すぎますか、それとも少なすぎますか?
人によってはどちらにもなります。算数で確認できます。サテライト予算に、あり得る年5%のアンダーパフォームを掛け、それを投資期間にわたって複利計算してください。その金額で人生設計が変わるなら、サテライト予算が大きすぎます。
コアをS&P 500ファンドにしてもよいですか?
可能ですが、中立的なコアではなく地域集中だと認識してください(第20~21章)。その傾斜を意図して持ちたいなら、世界株をコアにして米国をサテライトにする方が構造は明確です。判断した分の大きさを自分で決める必要があるからです。
あるサテライトが、自分にとって過去最高の投資アイデアになったら?
同じ賭けの大きな版になっただけなので、上限は変わりません。金融史上の壊滅的な集中投資は、すべて誰かにとって「過去最高のアイデア」だった時期があります。
サテライトをリバランスするとき、コアに戻しますか、それとも別のサテライトへ移しますか?
コアに戻します。サテライトはコアから資金を受け取り、コアへ返します。サテライト間でお金を動かし始めると、枠組みはいつの間にか売買口座へ変わります。
これは手間を増やしただけのクローゼット・インデックスでは?
その通りで、意図的です。ポートフォリオの85~95%が指数であり、それが目的です。残りの部分は、その85~95%が持ち主の行動に耐えられるようにするためにあります。